「有馬記念」が年末を締めくくる大イベントになったわけとは!?
2018年12月23日、Googleトレンドで1位となったのは、
今や1年を締めくくる大イベントとなった「有馬記念」。
生粋の競馬ファンは勿論、普段は競馬をしない人まで、この日を楽しみにしている。
ではなぜ、有馬記念だけ
こんなにも有名になったのか!?
有馬記念がグランプリと呼ばれる理由の一つは、
このレースがファン投票で選出される
最高の馬たちのためのものであり、
その中の最優秀を選ぶレースということ。
ファン投票の上位馬が最優先で出走資格を得られるレースというのは、
まさにその年の総決算で、最高の馬が勝つのが有馬記念。
近年の優勝馬を見ても、ディープインパクトやオルフェーヴル等、
歴史に名を残すような名馬が名を連ねている。
そして、グランプリと呼ばれるもう一つの理由が、
有馬記念が当初
「中山グランプリ」としてスタートしたということ。
有馬頼寧(ありまよりやす)の発案によって開催されたこのレースは、
その第一回レースのわずか17日後に急逝した有馬頼寧の功績を称え
「有馬記念」に改称された。
有馬記念ならではのファン投票の仕組みも、
野球のオールスターゲームから着想を得たものと言われている。
ちなみに、東京セネタースは、現在の北海道日本ハムファイターズのこと。
■競馬の健全経営のためにとった有馬頼寧の荒業
いまでこそ財務状況にまったく問題のないJRAだが、
実は有馬頼寧が理事長だった戦後間もない頃は、
老朽化した施設のメンテナンスもままならないような
カツカツの状態だった。
国庫への納付後の残額だけでは競馬を健全に運営するのは難しく、
そのまま放置すればさらに客足が遠のき経営困難に陥る可能性もある。
そうなれば国庫への貢献も十分にできず、ジリ貧に。
そうした状況の中、有馬頼寧の打った手が秀逸だった。
彼は、政府関係者に働きかけ、
通称「有馬特例法」と呼ばれる
「日本中央競馬会の国庫納付金等の臨時特例に関する法律」を制定させた。
この特例法により、期間限定で、
(1)老朽化し保安上問題のある建築物等の復旧・改築の資金を調達するために
競馬法で定める以外の臨時開催を可能とし、
さらに(2)その売上に係る本来国庫納付金として支払うべき金額の
全部または一部を納付しなくても良いということになった。
そうして行われた臨時開催による収益で、中山競馬場大スタンドの建設等の
インフラ整備が進んだことが、その後の日本競馬界の発展に大きく貢献した。